【H15.2】
Q1 ファ・チェ・ティの速記文字
Q2 ツァ行やスュ・ウィ・ウェ・ウォ等の速記文字/流しの書き方
Q3 エ列の加点

【H15.3】
Q4 外来語の書き方
Q5 数字の書き方
Q6 濁音の書き方

区切り線


Q1 ファ・チェ・ティの速記文字
 最近、速記の勉強を始めました。早稲田式です。
 質問なんですけど、「ファ」「チェ」「ティ」などはどう書けばいいのでしょうか?
 [H15.2]

A1 ファ・チェ・ティの速記文字(道楽おやじ)
 「ファ」は11巻「ティ」2巻に出ていますが、「チェ」は見あたりませんね。私が習ったころは、チャ行に入っておりましたが……。チェはチュの正規の反対側に小円をつけていましたが……。テキストのどこかにあると思いますよ。「早稲田速記講座・総索引(3,000語速字点)で調査をされてみてはいかがですか。
*「11巻、2巻」というのは、現在「早稲田速記講座」の通信教育で使用をしているテキストのこと。

A1 ファ・チェ・ティの速記文字(タッチ)
 通信教育の範囲では、ファは「ハ」、チェは「チエ」、ティは「テイ」(二音文字)じゃなかったかと思います。
 通教を超えますと、ファは「ワを8ミリにした線」、チェは「チュの小円を下側につけた線」があります。(ティは同じ)

A1 ファ・チェ・ティの速記文字(ユー)
 ファ・チェ・ティの速記文字ですが、私のHPにも掲載しています。
 ファは、「基本文字/単音」の「25.「ファ・フィ・フェ・フォ」の書き方」を、チェ・ティは、「速記文字とは?」のQ6をごらんください。タッチさんの言われている速記文字があります。
 せっかくファを覚えるのなら、ついでにフィ・フェ・フォも覚えるとよいでしょう。HPのフィ・フェ・フォの下に書いているのは、以前、佐竹式(高速度用の早稲田式)と言っていた速記文字です。
 なお、ティの速記文字はテイ・デイ・テー・デー・ディにも使えます。
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Q2 ツァ行やスュ・ウィ・ウェ・ウォ等の速記文字/流しの書き方
 私も昔、勉強していたときがあります。今でもそこそこ使っています。(早稲田式です)
 確かに、通信教育テキストに載っていない文字なんかもありますが、レポートのついでに聞いてみると教えてもらえますね。それでも、例文に無かったのでつい聞きそびれた文字、ツァ行、スュ、ウィ、ウェ、ウォなど。スィとかテュとかは文字の代用ができますのでいいのですが、ストレスになりませんか? 皆さんはどうしていますか?
 また、「ものまね」を基本文字4個で書くとき、全部で6センチ近くになるし、苦手でしたね。何かコツのようなものはあるのでしょうか? 別に後には基本文字で書くわけではないのでいいのですが。
 [H15.2]

A2 ツァ行やスュ・ウィ・ウェ・ウォ等/流しの書き方(ユー)
 ツァ・ツェ・ツォ・スュ・ウィ・ウェ・ウォ・スィ・テュという音に対する速記文字は早稲田式にはないですが、佐竹式(今は取り立てて「佐竹式」と言わず早稲田式に包含されているようです)にあります。
 そのほか、クワ・クィ・クェ・クォ、クワイ、スウィ・スウェ・スウォ・トゥ・トゥワイ・トゥイ・ツァイ・ドゥ・デュ・ファイ・ヴァ・ヴィ・ヴェ・ヴォ・ヴュ・ヴァイ・イェという音に対する速記文字もつくっているようです。でも、実際によく使われるのはその中の一部分ですし、私も全部書けません。
 ところで、普段書かない外来語が出てくると、まして今言った外来語特有の音が突然出てくると、やはりシャープがとまってしまいますよね。でも、何とかして書かないとと思うと、○○さんの言われるようにストレスになります。
 なお、早稲田式は日本語の速記文字としてつくっているからでしょうか、外来語の特殊音への対応が不十分ですね。その点、佐竹式がカバーしてくれているようです。でもまあ、そんな特殊音も、何とか別の代用の速記文字でも書けます。
 「ものまね」の速記文字を書くコツ? 練習するしかないですね。
 実は、私も余り好きじゃないです。全部で5.6センチに書かなければならないと難しく考えずに、書いた結果が「ものまね」と読めればよいという程度に考えてはどうでしょうか? また、これも○○さんが言われるように、省略文字を学習していくと別の形になりますね。基本文字段階では、流しの練習ということかな?

A2 ツァ行やスュ・ウィ・ウェ・ウォ等/流しの書き方(道楽おやじ)
 「ものまね」は、早稲田式の基本文字で書いても書きにくいし、中根式でも書きにくいですよ。まあ、早稲田式の指導者でもきれいに書ける人が何人ぐらいいるでしょうか。
 幾ら運筆の練習をしても、きれいには書けませんね。あの速記文字は学習者泣かせ?それとも指導者泣かせ?どちらでしょうね。結局、最終的には省略法で解決をすることになります。
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Q3 エ列の加点
 「エ列の位置」で次に文字が続くときは、あれは点ですか? それとも点のように短い線ですか? 私は、短い線で使ってます。
 [H15.2]

A3 エ列の加点(道楽おやじ)
 エ列は、加点位置ですね。加点と言いましてもただの「点」ではなく、「仮想加点」というやつでしょうか。この場所から次の「文字」続ける、ということでしょうね。
 中根式でも3音目の「ス」に使っておりますけど……。カラス、というときに使用をしておりますが、私は3音目の「リ」にも使用をしています。「イタル」と「イタリ」の書き分けをすることもありますので……。
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Q4 外来語の書き方
 以前に検定試験を受けた時のことでした。朗読の最後の最後の方で「インターネット」という言葉が出てきました。一瞬、焦りました。基礎符号を書き連ねていては朗読に遅れてします。とっさにでしたが、「イン」だけを符号で書いて、それを丸で囲みました。反訳は支障なくでき、事なきを得ました。
 外来語に対しては、どのように対処したらいいのでしょうか? 元の音に近いものを適宜に組み合わせて、自分なりの略符号を工夫して作ったりしていますが、作り方のコツみたいなものはあるのでしょうか?
 古い速記の本に、「アドバルーン」という語に、気球の絵が略符号に使われていて面白いなあと感心したことがありました。
 [H15.3]

A4 外来語の書き方(道楽おやじ)
 外来語の書き方は、その方式によって処理の仕方が違います。一概には言えませんが、大体次のようになると思います。
 まず、アルファベットの26文字は、最低限必要でしょうね。それと、外来語の音もある程度用意をしなければなりません。外来語の「特殊な音」については、このホームページにも掲載をされておりますので、ご参考にされてはいかがでしょうか。
 私が使用している方式の例を挙げてみます。これは、あくまでも私自身の書き方です。
1.清音、拗音、半濁音などで音の近いものはそのまま使います。
2.日本語にない音、またはまれな音で外来語に多い音を新たに設けます。
3.従来の省略法で書きやすい場合には、従来の方法を優先させます。
4.全ての省略法を駆使して、あらかじめ速記文字を決めておくことです。
 外来語特有の音としては、クワ、クィ、クェ、クォ、ツァ、ファ等々がありますが、実際に使うものは非常に少ないと思います。私は、ファ、ツァ、チェ、……ティング、……ショナル、……ズム、程度を新設しております。
 速記の学習は「国語の学習も含まれて」おりますので、常に「言葉」に対しては敏感にならなければいけないと思います。よく新聞等で使われている外来語、カタカナ語に対しては、速記文字をあらかじめ準備しておかれたらいかがでしょうか。できれば、すぐに書けるように練習をされることをお勧めします。
 私も、検定試験で「シャンゼリゼ」という言葉が何回も出てきて書けませんでした。言葉を知っていても、とっさには書けない、という例です。また検定試験のときに「ダイジェスト」という言葉が出てきましたが、私は「ダイゲスト」と聞こえました。これは、その言葉を知らなかった、という例です。2回も出てきたのでミスが4点でした。つまり、知らない言葉は書けない、聞き間違う、ということです。
 これは、私の書き方ですので、余りご参考にならないかもしれません。
 「インターネット」と「イントラネット」は区別をしておきたいですね。
 「インターネット」の場合は、「イ」と「ネ」を交差をします。
 「イントラネット」の場合は「イ」と「ト」を交差しております。
 この中部交差が一番簡単に書けますが、「イン」に「ネ」を交差する方法もあります。速記方式によって、いろいろな処理の方法があると思います。
 ○○さんが、「アドバルーン」の気球の形をした速記文字は、荒浪清彦著「速記の学び方」(昭和31年4月25日発行 大泉書店)の136ページに掲載をされております。臨機につくられる符号の中で、「象形符号」の例文として渦巻、アドバルーン、富士山、原爆雲、のものだと思います。私も早稲田式の「すなわち」△を愛用しております。

A4 外来語の書き方(ユー)
 まず、「インターネット」の速記文字ということですね。
 早稲田式の場合、外来語の詰音は、詰音を無視して続けて書くことができます。つまり、「インターネット」の場合、「インタネト」です。そして、トはオで代用すると、それほど書きにくくはないと思います。
 なお、私は、インタのタにトとしてオの逆線を引っかけて書いています。
 とっさに出たインのみを書いて○で囲む方法というのは、一種の省略法ですから、よい方法です。そういう機転が非常に大事なのです。そして、書き慣れない言葉が出てきたとき、シャープがとまって抜けてしまうのは一番悪い例です。ただ、イン…という言葉がほかにも出てきた場合、困りますが。その際には、別の処理をする機転が必要ですね。
 それから外来語への対処策ですが、ご存じのように日本語にはない音が外来語にはあります。まず、この音を聞き分けることが必要です。そして、その音の速記文字を勉強することです。ファ・ウィ・ツェ等々、外来語特有の音がたくさんあり、その音に合った速記文字もありますが、知らない場合はフア・ウイ・ツエと書きます。中級者以上なら、その特有音の速記文字を勉強する方がよいでしょう。
 次に、よく用いられる外来音の勉強をすることです。例えば、プロ…・メカ…や…ニズム・…ニウム・…ックス・…ション等のたぐいです。
 それから、外来語特有の2音文字の勉強もします。スパ・ロマ・パソ・メカ等々です。
 これら3つの方法を組み合わせると自動的に外来語が書けるようになります。
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Q5 数字の書き方[1]
 日ごろ速記を練習していて特に書きにくさを感じているものに、外来語と和語と、そして数字があります。
 私の仕事の日課として、銀行預金残高の確認があります。
 夕方4時半ころ、取引銀行に電話をします。
私 :「本日の預金残高をお願いします」
行員:「サンオク ニセントンデヨンジュウハチマン ロクセンナナヒャクトンデキュウエン、です」
私 :「す、すみません。もう少しゆっくりお願いします」
行員:「それでは棒読みしますね。320テン486テン709です」
私 :「お手数かけます。ありがとうございました」
 最初のころはこんな調子でした。しかし、何度もやっているうちに、自分なりのコツをつかむことができました。
・相手が数字を読みあげている最中には、相づちや反復はしない。
・書くことより聞くことの方に集中する。
・数字を大きく書かない。
という3点でした。
A)速記には、特殊な符号を使って数字を書き取る方法があるそうですが、それはどういったものなのでしょうか? 普通の速記符号と混同して読み誤ることはないのでしょうか?
B)早稲田式の解説書には算用数字を使うように書かれていました。私は、この方法で不都合はないように感じるのですが、いかがでしょうか? 株式市況や競馬中継なども算用数字で追いついていけるように思うのですが……。
C)プロの速記者の方々は皆さんどう対処されているのでしょうか? 特に、数字の間に0がいくつも入るような(例えば、301,200,705)場合です。発言者が「サンオクヒャクニジュウマンナナヒャクゴ」と言ったとすると、0を幾つ入れるのかとっさに判断できないと思います。
 [H15.3]

A5 数字の書き方[1](タッチ)
 私は佐竹式で、速記数字を用いています。算用数字だと、書くのが忙しいので。でも速記数字がない方式がほとんどだし、算用数字でも、書きにくくなかったり読み違いしなければ、それでもいいでしょう。
 ゼロ対策?も含め、単位語はできるだけ書くようにします。「2005万307円」というときは「2セン5マン3ビャク7エン」と速記文字で書きます。
 数字は前後の文章からの推測が難しいので、書き違えにくく、読み違えしにくい書き方が望まれます。

A5 数字の書き方[1](ユー)
 私は、外来語と同じく数字も苦手です。
A)速記学校時代、やはり数字の速記文字化について教わりませんでしたが、佐竹式にはありますし、また私の大先輩であるYさんが独自の文字をつくられているので、私もそれをヒントにして自分なりにつくっています。
 私の場合、数字については、特殊な符号というのではなく、速記文字の最初の1音や算用数字の一部分を取ってつくっています。そしてそれに十・百・千・万の単位を字尾(速記文字の書き終わりの方)にくっつけるようにしています。1度シャープを原文帳から離すと速度的に損をしますので、できるだけつないで書けるように考えたのです。ただ、つくったのはいいのですが、余り練習をしないので、数字が出てくるとシャープがとまってしまったり、算用数字が出てきたり、Y式の文字が出てきたりという状態です。練習というのは、ホントに大切ですね。
 なお、私も当初、数字と普通の言葉を区別して判読できるのだろうかと心配しましたが、杞憂でした。
B)○○さんは算用数字で不都合を感じない、株式市況や競馬中継までもが書けるように思うとのことですが、よほど書くのが速いのですね。
 算用数字は、「1・6」以外、一度どこかでシャープをとめなければならないですよね。特に「4・5・7」は、一度シャープを離さなければなりません。また、2けた、3けたまではまだよいのですが、兆・億の単位から数字をたくさん並べ立てられば、もうたまりません。
 ○○さんは数字の単位(十・百・千・万・億・兆)を書かれていますか? たとえ単位を書かなくても結構しんどいと思いますが。
C)私も一応プロですが、他のプロ速記者の皆さんはどうされているのでしょうか?
 数字の羅列の中の「0」については、「トンデ」と言ってくれればよいのですが、言わなかったとき、混乱してしまいます。「0」のあるなしで1けた違ってくることになるので、大きなミスにつながります。私は、やはり単位も入れて確実に書く方がよいと思います。

Q5 数字の書き方[2]
> 算用数字は、「1・6」以外、一度どこかでシャープをとめなければならない
> ですよね。特に「4・5・7」は、一度シャープを離さなければなりません。
 はい。そこが一番悩ましいところです。
 「4」は、二画目から左旋回して縦棒を書きます。
 「5」は、最終画の横棒を省いて書きます。
 「7」は、傘の柄のような形で書きます。
> ○○さんは数字の単位(十・百・千・万・億・兆)を書かれていますか。
> たとえ単位を書かなくても結構しんどいと思いますが。
 はい。結構しんどいです。
 これは速記と言えないでしょうが、私が考えて実際に使っているやり方は以下のとおりです。私は速記者ではありませんので、このやり方はあくまでも前回の記事で書いた自分の仕事(会計事務)で利用している方便です。
 例えば、123,456,789,123円と表記した場合などはコンマに惑わされがちですが、日本の数字のは「4桁の単位」で「集団」を作っていることに気がつきました。○○○○億○○○○万○○○○円というふうにイメージします。上記の例では、1234億5678万9123円という3つの集団で構成されています。実際に聞き取り書きをする場合は、12345678 9123と各集団の間にスペースを入れて書いていきます。「億」や「万」といった文字は書きませんが、123,400,000,000の場合は1234億と「億」の部分に符号を使います。このように、4桁単位で考えれば、兆になっても、1集団増えるだけです。「0対策」も、4桁内で対策を考えればいいわけですから仕組みは単純です。「とんで」とか「とび」と読んでくれれば、「0」を書きます。
 私が考えた書き方としましては、
・50は、そのまま「50」と書きます。
・500は、「5─」。短い棒は「百」を表すわけです。
・506は、「5─6」となりますが、そのまま「506」でもいいと思います。
・5000は、「5──」と長い横棒を書きます。長い棒は「千」を表します。
・6001は、「6──1」です。
・6012は、「6──12」ですが、場合によってはそのままで書きます。
1,290,082,105(12億9008万2105)は、12 9──8 21─5 という書き方になります。

A5 数字の書き方[2](道楽おやじ)
 算用数字に「万」とか「億」とか位取りをした方が読みやすいでしょうね。速記方式によっては「速記用」の数字がありますが、私は使ったことがありません。
 速記者の方は、それぞれ数字の書き方について研究をしている人もおりますが、私も外来語と数字には悩まされました。

A5 数字の書き方[2](タッチ)
 短い棒は「百」、長い棒は「千」。これはまさに速記ですね。体系づけられた速記では、この長短の棒が速記文字に置き換わるだけです。
 もっとも、速記には「十」や「万」「十万」「百万」…の文字もありますが、こういうことを考案される○○さんのことだから、たぶん、さらにいろいろな工夫をされているのでしょうね。
 書きにくいものを書きやすくする、これが速記の原点なのでしょう。
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Q6 濁音の書き方
 何気なくテレビを見ていました。
 西田敏行さんがハマちゃん(浜崎伝助…ハマサキデンスケ)役に扮する「釣りバカ日誌」のシリーズです。
部長:「ハマザキくん、ちょっと」(手招きする)
ハマちゃん:「部長、私の苗字はハマサキです。濁らないんです!」
部長:「そんなこと、どうだっていいじゃないか」
ハマちゃん:「よくありませんよ〜」
 たしか、こんなやりとりだったと思います。「この二人の会話を速記にするとどうなるんだろう」とその時ふと思いました。
 私が学んでいる速記の本には、「濁音も清音と同じに書いて読み分ける」とあります。しかし、このような例では、何らかの策を講じなければなりません。
 タッチさんのHPのトップページ最下段に、「シドニー五輪女子マラソンで高橋尚子選手が金メダルを取りました」とありますが、「ルーマニアのシモンは、健闘むなしく銀メダルでした」の場合は、どう書くのでしょうか? 読み分けられない場合は、たくさんあると思うのですが……。
 また、濁音表記しなくても読み分けられるか、濁音を明記しなければならないか、これをとっさに判断するのは難しいと思います。
 「心臓」と「腎臓」の移植手術を間違えたら大事件ですし、「精神病」と「成人病」では、通う病院が違いますよね。濁音表記する場合、符号のどこかに「・」を打つというやり方が考えられると思いますが、「・」が打たれていない場合、故意に打たなかったのか、打つ余裕がなかったのか、という問題が残ると思います。
 清音と濁音を別の符号にしてしまえば、こういった問題は起きないと思うのですが……。
 [H15.3]

A6 濁音の書き方(道楽おやじ)
 濁音表示については、方式によって異なりますが、
1.濃線を使う方法(中根式)
2.加点をつける方法(早稲田式)
3.別の速記文字をつくる方法(石村式)
等があります。
 私は、濁音表示をしなければ区別ができないものに対しては、ダッシュで切っております。「金」と「銀」は別の速記文字を割り当てております。前後関係で読み分けられるのは、濁音の区別はしませんが、固有名詞などは絶対に濁音表示が必要です。
 濁音表示をしないと区別ができないものは、速記を練習している間に覚えてしまいます。例えば、早稲田式でも助動詞の「マスカ」は上に加点をしますし、「マスガ」は下に加点をしていますね。区別ができないものに対しては、あらかじめ速記文字を変えておくことをお勧めします。

A6 濁音の書き方(タッチ)
 濁音については、別の文字で書き分けている方式の方が少なく、よほど間違えやすいものには省略文字がありますが、基本的には点を打つとか、文字を別の線で切るとかで区別します。早稲田式系の場合は「濁音は加点する」ことになっています。「ケイコ」が「ケイゴ」になると男になってしまうし、「既決」と「議決」、「債務」と財務」、「市価」と「時価」など、幾らでもあります。
 ○○さんが出された例は格好の材料ですね。確かに「金」と「銀」は区別が必要(私は「銀」に加点しています)なのですが、この場合に限ると「むなしく銀メダル」のはずはないので「金」だろう、ということになります。もちろん、いつもこういう典型的に幸運な発言ばかりのはずはないし、金なのに間違って「むなしく」と言ってしまう人がいないとも限りませんが(いないかな?いたとしても、そのまま訳すのではなく、反訳段階で修正することになるかも)。
 速記の練習を積み重ねると、こういう「易誤文字」(いごもんじ=佐竹式の用語。相互に誤りやすい文字)に対するアンテナが自然に働き、区別すべきかどうか瞬時に判断できるようになります。速記をやっていないと半信半疑に思われるかもしれませんが、ちゃんと対応できるんです。本当ですよ。もちろん練習しないとできません。速記の練習というのは、単に速記文字を覚えるだけではないんです。
 速記文字は単純な線でつくられているので、五十音のほかに濁音、半濁音、拗音などを作って区別しようとすると、線の種類が足りなくなるので、多く出て、しかも誤りやすかったり書きにくい言葉の順に別文字が用意されることになります。
 しかし速記文字だけで解決しようとするだけでなく、個人の国語力を高めることは重要です。知らない言葉は書けないのです。

A6 濁音の書き方(ユー)
 道楽おやじさん、タッチさんがお答えのとおりです。書き分けしなければならない言葉については、文章練習の過程でわかってきますからご安心ください。
 また、濁音符号等をつけておく方がよいものは、
1.速記文字の形が同じで幾通りにも読める場合のほか
2.自分の知らない言葉
3.固有名詞
も気をつけたいものです。
 ただ、これらについてすべて濁音符号等をつけなければならないというものでもありません。前後の文章からほかの読み方はしないことがわかれば区別する必要性はないでしょう。
 文章練習でなく、単語練習で読み返さなければならないときは前後関係が全くありませんし、また幾つかの単語をのみを書いてメモしたときなども前後関係が薄くなりますので、ぜひ濁音符号等を入れておきたいものです。
 「ハマサキ」と「ハマザキ」を区別したいときは、やはり濁音符号を入れるべきです。どちらか一方のみしか出てこなく、普段自分であればこう発音するであろうと思われる発音をされた場合には区別しなくても結構です。
 金と銀の速記文字での区別に関しては、金は「カイ」をそのまま横にはじいた(すっと抜いた)線、銀は「キ」をはじいた線で区別することができます。
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