【H15.5】
Q15 就職先

【H15.6】
Q16 大学と速記の道    

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Q15 就職先
 私は大学生で速記を勉強しているのですが、速記関係の仕事って今でもあるのでしょうか?
 親には『ワープロ・テープレコーダー・ビデオ等があるからもう速記は先がない』等といわれてしまいましたが……
 確かに正鵠を射ていると思うのですが、どうなのでしょうか?
 [H15.5]

A15 就職先(ユー)
 周りの人からそのように言われるのは、今の世相からして当然でしょう。私たちも、よく聞かれます。そして、実際にお答えするとき、私自身、昔のように胸を張って言えなくなってきているのも事実です。
 というのも、まず就職先が狭くなってきたからです。私が学生のころは都道府県議会・市町村議会や新聞社へ入った人もいたのですが、今はそういう就職先がなくなりつつあり、速記会社が主になってきています。
 そしてまた、速記者同士の仕事の奪い合いから速記料金が引き下げられつつあるからです。宅配・メールという便利なものが出てきたおかげで縄張り的なものがなくなり、お客様は、質のよい原稿より安い価格を優先して依頼する傾向が出てきています。質が悪いと当然聞き間違い・打ち間違い等が多くなり、後でお客様が原稿をチェックするとき大変なのですが……。
 そして、テレコ・ワープロ・ビデオ等は、記録手段としてなくてはならない存在になってきました。でも、それらは速記と同じように扱うことはできません。
 テレコ・ビデオは、ある内容を調べたいとき、最初からずっと聞いていかないとわかりません。また、やっと探し出したその部分を複数人に披露するには、テレコを用意する必要があります。テープを1回流したところで、聞き漏らしたり聞き間違えたりする人も出てくるでしょう。その点、ペーパーとしての速記録は、素早く目を通してもらえるし、内容も確実です。その部分を探すときも目で飛ばし飛ばし追って調べることができるので、テープより速く検索ができます。
 またワープロ・パソコンは、検索がかけられるのでペーパーよりもさらに速く調査することができますが、その前提として速記録を作成していなければなりません。また、会議録(本)はあちこちへ持ち歩くことができますが、ワープロ・パソコンはそういうことができないこともあります。
 ということで、テレコ・ワープロ・ビデオ等は速記の補助手段であって、今のところ、速記はそれに取って代わるものではありません。
 なお、コンスタントに仕事を取れる議会における速記録は、地方自治法という法律で、「議長は、事務局長又は書記長(書記長を置かない町村においては書記)をして会議録を調製し、会議の次第及び出席者の氏名を記載させなければならない」とあり、会議録の作成を義務づけています。
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Q16 大学と速記の道
 私は大学受験を前にした高校生ですが、速記に興味を持ち、速記に関わる道も考えています。でも、学校に速記の資料は余りありませんし、どのような勉強をすればいいのかわかりませんので、情報をいただけないでしょうか?
 [H15.6]

A16 大学と速記の道(ユー)
 大学のクラブで速記を学ぼうということでしょうか?
 そういうことなら、まず速記部・研究会のある大学を羅列してみます。平成15年6月時点において、各大学HP等で速記部・研究会の存在が確認できた大学です。
  東京都…学習院大学・早稲田大学
  大阪府…関西大学
  兵庫県…関西学院大学
  岡山県…岡山大学
  福岡県…福岡大学
 なお、以上の大学のほかにまだあるかもわかりませんし、また以上の大学で既になくなっているところがあるかもわかりませんので、ご了承ください。
 また、速記専門に勉強をしたいということなら、国会の養成所または専門学校ということになります。
  東京都…衆議院速記者養成所・参議院速記者養成所・早稲田速記医療福祉専門学校・中根速記学校
  大阪府…日本医療秘書専門学校
 そのほかにも、随時教えてくれるところもあります。
 それから、速記を学習するための事前の勉強については、特に必要ありません。
 強いて言えば、国語力をつけること、幅広い知識を養うこと、ということになります。そのために、新聞等を読むのが一番よいでしょう。
※平成16年9月の新聞では参議院速記者養成所が、また同年10月の新聞では衆議院速記者養成所が生徒募集を取りやめるとの報道がされました。
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