学習の手引き

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区切り線

1.原文帳について
2.シャープについて
3.練習をする前に
4.ウオーミングアップをしよう(1)
5.ウオーミングアップをしよう(2)
6.説明に耳を傾け、テキストをよく見よう
7.速記文字を読む練習もしよう
8.ゆっくりと、丁寧に、正確に書こう
9.大きく書こう
10.毎日30分は練習しよう
11.どこにでも原文帳はある
12.単音・単語カードをつくろう
13.単語はどこにでもある
14.楽しく練習しよう
15.目標を持とう
16.単音・単語もしよう
17.テープを使って練習をしよう
18.暗書の練習もしてみよう
19.何度も同じ文章を書いてみよう
20.速度は少しずつ上げていこう
21.だれでもスランプはあるもの
22.反訳もしてみよう

区切り線

1.原文帳について
 一番簡単な原文帳のつくり方は、厚手のボール紙などを敷いた上に、半分に切った市販の書道半紙を乗せ、その左上端をクリップでとめれば出来上がります。
 書道半紙は、表と裏では書き味が違いますが、練習では、もったいないので裏側も使いましょう。
 なお、「テキスト学習者向けQ&A」の「3−3.原文帳のつくり方」に写真を掲載しているので、ご覧ください。
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2.シャープについて
 特に初心者の場合、ボールペンでは、はねたり、はじいたりする速記文字がわかりにくいので、シャープを使うのがよいでしょう。
 またシャープに入れる芯も、スムーズに書くため、0.9ミリのB2ぐらいのものをお勧めします。0.5ミリのHBなどは、芯が堅く、力を入れ過ぎると原文帳を破ってしまうことさえあります。
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3.練習をする前に
(1)背筋を伸ばし、正しい姿勢をとりましょう。
(2)原文帳は、体の中心線上に原文帳の左端が来るように、また少し右上がりに置きましょう。
(3)シャープは、握り締めずに軽く持ちましょう。
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4.ウオーミングアップをしよう(1)
 速記文字の練習をする前に、まず次の手振り運動をしましょう。
(1)両腕を前に水平に出し、手首を上下させる縦振り運動
(2)ひじを折った両腕を腹の前に置き、手首を上下させる横振り運動
(3)両腕をだらりとおろして手首を振る下振り運動
 そのほかにも、首の前後運動・左右運動・回し運動、肩の上下運動・回転運動、そして両手をにぎったり開いたりするニギニギ運動というのもあります。要するに、手首・腕・肩を柔らかくする運動です。
 これは、プロ速記者・吉川欽二さんが考案された「儀式」と呼ばれているものです。
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5.ウオーミングアップをしよう(2)
 手首・腕・肩が柔らかくなれば、今度は原文帳を使って基本線のウオーミングアップをしましょう。これも、「儀式」の一環です。
 まずは、渦巻き線。シャープをとめず、原文帳いっぱいに大きな正円から中心に向かって小さな円を書いていき、中心まで来ると、今度は逆に小さな円からだんだん大きな円を書いていきましょう。円はできるだけ密に書くようにします。
 次に、長線基本線。これも、シャープをとめず、正円を左端から少しずつ右側へずらして右端まで書いていきましょう。同じく、円は密にします。これには右回りと左回りがあります。早稲田式の線の長さには3種類ありますので、その3つの線の長さで書きましょう。
 そのほか、クローバー線、ひねり線等もあります。
 ウオーミングアップには精神を落ちつかせる効果もありますから、力まずに書きましょう。
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6.説明に耳を傾け、テキストをよく見よう
 練習で一番大切なことは、指導者の説明をよく聞くこと、そして正しく書かれたテキストをよく見てまねることです。特に初心者は、まねて書いているつもりでも、指導者が見ると線の長さ、角度等、形がおかしかったりするものです。そういう状態で練習を積み重ねていくと、間違って覚えてしまったり、変な癖がついてしまいます。これでは、何のための練習だかわかりません。
 正確に書かれたテキストをじぃーと見詰めることで、とめているところとはじいているところ、直線であるもののそらしを入れているため少し円みを帯びているところ、後に続く速記文字によって円の形や角度が微妙に違うところ、すっと書いているところと少し力を入れて書いているところ、ゆっくり丁寧に書いているところと速く書いているところなどが見えてきます。
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7.速記文字を読む練習もしよう
 練習というと速記文字を書くことばかりになってしまいがちですが、同時に速記文字を読む練習も取り入れましょう。自分の書いた速記文字を反読できてこそ、初めて「速記」と言えるのです。
 練習方法は、テキストの速記文字を隠すとよいでしょう。速記文字を読むことによって、自然と正確な速記文字も身についてきます。
 なお、自分の書いた速記文字を読む場合は、後で速記文字が間違っていないか確認しておきましょう。
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8.ゆっくりと、丁寧に、正確に書こう
 速記というのは、手をフル回転して速く書くものではありません。速記文字自体、普通に書いても速く書けるように工夫されているのです。ですから、特に初心者は速度を気にしないで、ゆっくりと、正確に、丁寧に書きましょう。
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9.大きく書こう
 速記文字の大きさは、初心者のうちは大き目に書いて線の感覚を磨きましょう。
 小さい速記文字は非常に神経を使うので、かえって速く書けなくなることがあります。大きく、伸び伸びと書くように努めましょう。
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10.毎日30分は練習しよう
 1日の練習時間は長ければ長いほど速く上達しますが、長続きしなければ何にもなりません。1日10分でも、毎日練習することが大切です。「継続は力なり」という言葉があるように、毎日の練習を続けていれば、きっと花開くでしょう。
 なお、幾ら長い時間をかけて毎日練習しても、ダラダラした練習をしていたり、間違った練習をしていれば効果がないので、気をつけましょう。
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11.どこにでも原文帳はある
 練習と言うと、机に向かなければできないものではありません。もちろん、そういう練習方法がベストですが、忙しくてなかなか机に向かえない人にも、それなりの練習法があります。
 書道半紙の原文帳がなくても、だれでもみんな大きな空間という原文帳を持っています。また、シャープがなくても指があります。ですから、空間に指で「あいうえお」と書いていけばいいのです。人前では恥ずかしいという人は、頭の中で描くことだってできます。
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12.単音・単語カードをつくろう
 机に向かえないときなど、空間で練習をしていると、自分の書いた速記文字が間違っていないか不安になることがあるでしょう。そんなとき便利なのが、ポケットなどに入る単音カード・単語カードです。いつでもどこへでも持ち運びできるので、ぜひつくってみましょう。
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13.単語はどこにでもある
 単音をほぼ覚えてしまった人は、テキストに出ている単語だけでなく、いろいろな単語も書いてみましょう。
 単語は日常生活にあふれています。例えば新聞・広告の活字を見たり、テレビなどから流れてくる言葉を聞いたりして、どんどん書いていきましょう。
 なお、この言葉は速記文字でどんなふうに書くのだろうかと疑問に思ったときメモできるよう、いつもメモ帳とペンを持っていると便利です。
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14.楽しく練習しよう
 毎日練習していると、飽きてきたり、嫌になってきたり、重荷になってきたりすることがあります。何でも、楽しくなければ長続きしません。そんなとき、楽しくない原因を分析してみましょう。その大半は、なかなか覚えられない、速く書けないということではないでしょうか。
 気分転換に、練習の仕方、練習時間、練習場所を変えてみてはどうでしょうか。また、同じように速記を学習している人と話し合ったり、速記学習会などに参加したり、指導者のアドバイスを受けたりするのもよい方法です。
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15.目標を持とう
 せっかく速記に興味を持ったのですから、自分なりの目標を持ちましょう。1級速記士になるんだという高い目標は悪くないですが、もっと近い将来努力すれば達成できるであろう目標を設定する方がよいでしょう。
 検定試験合格ばかりが目標とは言えません。例えば、電話のメモに使えるようになりたい、好きな歌詞を書き取れるようになりたい、速度は関係なしにただひたすらきれいな線を書きたい等、人さまざまです。目標は、くじけそうになったときの助けになります。
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16.単音・単語練習もしよう
 文章練習ができるようになると、ついつい単音・単語練習がおろそかになってしまいがちです。でも、文章というのは短文の集まりで、短文は単語の集まり、さらに単語は単音の集まりです。基礎がしっかりできていなければ、文章練習で引っかかるのは当然ではないでしょうか。また、速度が上がらない原因もそこにあることが間々あります。ですから、できるだけ単音・単語の練習もしておきましょう。
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17.テープを使って練習をしよう
 文章練習の練習法ではだれかに朗読してもらって書くのが一番ですが、朗読してくれる人がいない場合、録音テープを利用しましょう。その録音テープもないときは、自分で朗読してテープに吹き込みましょう。自分で吹き込むこと自体、その速度感覚をつかむ練習にもなります。
 また、テープレコーダーによって、再生機能にスピード調整できるものもあります。こういうテープレコーダーを使うと、少し調子が悪いとき再生スピードを下げたり、また余裕がでてくると再生スピードを上げて1クラス上の練習もすることができます。
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18.暗書の練習もしてみよう
 文章練習には、原文帳を見ないで速記文字を書いていく暗書(アンショ)という練習法もあります。原文帳の左横に問題文を置いてそれだけを見ながら速記したり、録音テープを使った場合には目をつぶって速記するといった方法です。
 この暗書のコツは、できるだけシャープをとめずに同じリズムで書いていくことです。朗読や録音テープによる練習は自分が相手側のスピードに合わせて書かなければならないのに対し、暗書による練習は自分の心地よいスピードで書けるので、知らぬ間に速度が上がっていることもあります。
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19.何度も同じ文章を書いてみよう
 同じ問題を何度も書いていると頭の中でその文章を覚えてしまって、テープから聞こえてくるよりも先に書いたりするようにまでなると、録音テープが使用済みのように思われるかもしれません。でも、そのテープは捨てないようにしましょう。
 初心者は特に、何度も何度も書いて、頭の中で考えることなく反射的に速記文字が出てくるようでなければなりません。文章練習は、単語練習でもあるわけです。
 また、すらすら書けるようになれば、再生時にスピードを上げるとワンランク上の練習ができますし、久しぶりにそのテープをかけてどれくらい上達しているか実感することもできます。
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20.速度は少しずつ上げていこう
 速度に追いつかないというのは、はっきり言って練習不足でしょう。
 練習をしているのにダメな場合、幾つかの原因があります。まず、単音・単語の基礎ができていない、練習方法が間違っている、またはその人に合った練習方法をしていない、検定試験に合格したからと言っていきなりワンクラス上の速度で練習をしている等々。 決して焦らず、早くその原因を見つけて自分なりの練習法を考えましょう。
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21.だれでもスランプはあるもの
 練習法に問題がないのに、速度が上がらないときもあります。スランプです。これはだれでも経験することです。
 スランプを抜けるには、やはり練習しかありません。そんなとき、練習をするのが嫌になるでしょうが、そこでブランクをつくってしまうとさらに悪い結果が待ち受けています。自分自身の心の葛藤です。決してスランプに負けないよう頑張りましょう。
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22.反訳もしてみよう
 反読はできるのに反訳するとミスが多いというのは、反訳不足です。
 速記文字をちゃんと書いているのに反訳段階で読み抜かしたり、読み間違ったり。こんなもったいないことはありません。でも、ミスが出たからと言ってがっかりすることはありません。ミス自体、大きな収穫とも言えます。自分のミスの性格を知ることができますし、二度と同じ間違いをしなければミスが少なくなりますから。
 また、反訳をすることによって、反読では気づかなかった漢字の間違い、用字の間違いもわかってきます。速記というのは、速記文字を書いてそれを読み返せればよいというだけでなく、国語力も問われるので、練習の中にぜひ反訳も取り入れましょう。
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