基本文字/単語

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区切り線

 速記文字を指導している際、この点に気をつければもっときれいに書けるのにと思ったこと、また質問があったことを中心に拾い集めてみました。
 なお、これは早稲田式の絶対的な書き方ではなく、私個人が考える書き方であることを、まずお断りしておきます。

区切り線

1.線の長さ
2.円の回し
3.円の方向
4.チョの楕円
5.チェの円の回し方
6.角度の変化
7.ゆずりあいの筆法(例「最愛」)
8.ゆりつぎの筆法
9.作角の筆法
10.流しの筆法
11.半流しの筆法
12.一筆で書ける単語(例「板・火災・屋台・破砕」)
13.変規文字「ト」を1音目に使う例(例「遠く・遠い・同意」)
14.変規文字における鋭角選用の原則の例外
15.撥音と正規文字(例「漢字・半島」)
16.詰音の書き方(例「コック」)
17.詰音と正規文字(例「おって・なって」)
18.交差しにくい詰音(例「劣勢・列車・発生・月収」)
19.前後の速記文字を離さずに交差する詰音(例「むっと・釣った」)
20.「123」の書き方
21.「リョ…」の書き方
22.「リュ…」の書き方
23.「…ピョウ」の書き方
24.「物価」の「カ」の長さ
25.「罰金」の濁音符号の打ち方
26.「給与」と「共有」の書き方
27.「お客」と「会釈」の書き方
28.「ぼうっと」の長音符号の打ち方
29.「精米」の書き方
30.「大体大」の書き方
31.「しまいたい」「体内」の書き方
32.「まいない」「ナイマイ」「和裁」の書き方
33.「廃止」の書き方
34.「プアール茶」の書き方
35.「キャスト」の書き方
36.「決心」の書き方
37.「塗って」の書き方
38.「ポット」の書き方
39.「ぱったり」「ぽったり」の書き方
40.「…ことと」の書き方
41.「ぴょんぴょん」「ぷんぷん」の書き方
42.「カチンカチン」の書き方
A.速記文字実例(1〜10)
B.速記文字実例(11〜20)
C.速記文字実例(21〜30)
D.速記文字実例(31〜40)
E.速記文字実例(41〜42)

区切り線

1.線の長さ
 「予想」「外と」などは、同じ長さで書いているつもりでも、改めてよく見てみると違っていることが多いものです。特にウやタ行など下方向の速記文字は短くなりがちですので、意識して長目に書くように努めましょう。
 例えば「予想」という速記文字は、ヨの始筆点、ソの終筆点を直線で結ぶと右下斜めの線にならなければなりません。
→実例(1)を参照   ↑一覧へ

2.円の回し
 複線の円を回すか回さないかは、後の速記文字によって変わってきます。例えばユなどは、後に続く速記文字が、水平を含め右上方向のときは回し、それ以外は回しません。またル+ハ行は、ルの円を回します。
 なお、こういうのは、どちらが得か、間違えにくいか、速いか、崩れにくいかといったレベルの話で、どれが間違いというものではないので、必要以上に神経質になることはありません。
→実例(2)を参照   ↑一覧へ

3.円の方向
 複線につく円は、後の速記文字の方向に向かって楕円型となります。書き方としては、円の途中(半分ぐらい)から次の線へ移るつもりで書きましょう。
→実例(3)を参照   ↑一覧へ

4.チョの楕円
 チョを楕円の返しなしに書くと、後の速記文字によって次のように少し変わってきます。
→実例(4)を参照   ↑一覧へ

5.チョの円の回し方
 チェの円は、その後にヤ行が来た場合以外、回さないで書きましょう。例えば、チェサ・チェマも、チェの円は回しません。
→実例(5)を参照   ↑一覧へ

6.角度の変化
 後に続く速記文字によって、前の速記文字の角度が変わってくることがあります。例えばチャに続くカの線は立てぎみになりますが、ヤが来ると寝かせぎみになります。
→実例(6)を参照   ↑一覧へ

7.ゆずりあいの筆法(例「最愛」)
 普通に書くと速記文字同士が重なることがありますが、こんなとき、お互い形を譲り合って速記文字が重ならないように書きましょう。例えば「最愛」は、サイもアイも偏平に書きます。
 なお、例えば「分担」など、どうしても重なるものもあります。
→実例(7)を参照   ↑一覧へ

8.ゆりつぎの筆法
 ゆりつぎは、後の速記文字が前の速記文字と同じ方向以外、同じような方向の場合にも使用します。
→実例(8)を参照   ↑一覧へ

9.作角の筆法
 単曲線(ア・サなど)の後に速記文字が続く場合、その単曲線の末尾を少し深くする書き方が作角ですが、アサ・サカ・ヤイ・ラカ・ワウ・キャア・シャバなども作角を使用しましょう。
→実例(9)を参照   ↑一覧へ

10.流しの筆法
 ア(ナ・ノ)+マ行、イ(マ・モ)+ナ行以外にも、サ(ソ)+ヤ行、マ(モ)+サ行、ハ(ホ)+サ行、ハ(ハイ・ホ)+ラ行、ヤ(ヨ)+サ行(サイ・セイ)、ヤ(ヨ)+ラ行、ワ+カ・サ・ナ・マ・ヤ・ラ行も、流しを使用できます。
 シャープをとめないため速く書くことができますが、2つの速記文字がつながったものであることが一目でわかるように注意しましょう。
→実例(10)を参照   ↑一覧へ

11.半流しの筆法
 流しが書きにくいサ(ソ)+ヤ行、ナ(ノ)+ヤ行、ラ(ライ・ロ)+ハ行は、前の速記文字で軽くとめて次の速記文字を書いても構いません。
→実例(11)を参照   ↑一覧へ

12.一筆で書ける単語(例「板・火災・屋台・破砕」)
 「板」などは、タにそらしを入れ、イとタを一筆で書きましょう。
 「火災」なども、カの末尾をそらし、シャープをとめずにサイと一筆で書くことができます。
 また、「屋台」「破砕」なども、同様に一筆で書きましょう。
 なお、これらは流しとは違います。
→実例(12)を参照   ↑一覧へ

13.変規文字「ト」を1音目に使う例(例「遠く・遠い」)
 変規文字は1音目に使わないのが大原則ですが、例外的に、限定した「トウ…」といった言葉に対しては変規文字を使っても構いません。例えば、「遠く」「遠い」等です。こういう例は余り広げないようにしましょう。もちろん、「トウ…」であっても、すべて正規を使っても結構です。
→実例(13)を参照   ↑一覧へ

14.変規文字における鋭角選用の原則の例外
 変規文字の原則として鋭角選用の原則がありますが、「朝」「後(アト)」などは、普通、これを無視して正規文字を優先させて書きましょう。特に「朝」などは、アに錯角を用いるとサは正規文字で書きやすくなります。
→実例(14)を参照   ↑一覧へ

15.撥音と正規文字(例「漢字・半島」)
 「漢字」「半島」等、撥音の後の速記文字は、一たんシャープをとめますので、1音目とみなして正規文字で書きましょう。
→実例(15)を参照   ↑一覧へ

16.詰音の書き方(例「コック」)
 詰音というのは、交差しにくい場合、前の速記文字中央位置より約1ミリ下に次の速記文字を並べて書きますが、例えば「コック」など次の速記文字が大円の場合は、前の速記文字に重ならないようもう少し下の位置から書き、前の速記文字と大円のすき間が1ミリになるようにしましょう。
→実例(16)を参照   ↑一覧へ

17.詰音と正規文字(例「おって・なって」)
 単語に詰音が入っている場合、一たんシャープをとめて次の速記文字を書きますので、発音の例と同じく、例えば「おって」の場合、テは1音目とみなして正規文字で書きましょう。例外として「なって」等があります。
→実例(17)を参照   ↑一覧へ

18.交差しにくい詰音(例「劣勢・列車・発生・月収」)
 前の速記文字と後の速記文字が交差しにくいとき、同じ方向のときと同様、前の速記文字の中央から、切らずに並べて後の速記文字を書くことができます。
 「列車」は、レを寝かせぎみに書くとシャを交差できますが、立てぎみに書くと交差しにくいので並べて書きましょう。
 「月収」は、代使のゲツを使用した場合、同じく並べて書きましょう。
→実例(18)を参照   ↑一覧へ

19.前後の速記文字を離さずに交差する詰音(例「むっと・釣った」)
 例えば「むっと」等、主に大円のついた速記文字の後に詰音が入った場合、シャープを離さず、前の速記文字と後の速記文字を続けて書くことができます。これは、交差させる中央位置がちょうど大円の締める位置にあるからです。
 また、「釣った」など、短線に円がつく場合も同様に書くことができます。
→実例(19)を参照   ↑一覧へ

20.「123」の書き方
 「ヒャクニジュウサン」と「イチ・ニ・サン」を同じ書き方をしていて区別をしたい場合、「イチ・ニ・サン」は1つずつ数字を右下に書いていきましょう。
 なお、数字の単位は、千・万・億・兆のほか、十の位が飛んだときのことを考えると百の単位もも入れておく方がよいでしょう。
→実例(20)を参照   ↑一覧へ

21.「リョ…」の書き方
 リョ(リョウ)+カ行は、特にリョ(リョウ)にリュ(リュウ)の線を用いて書くことができますが、それ以外にも、リョ(リョウ)の後にア・ナ行、イ・マ行などが続く場合も同じように書くことができます。
→実例(21)を参照   ↑一覧へ

22.「リュ…」の書き方
 「リョ…」と同じように、リュ+カ行のほか、リュ+ア・ナ行、リュ+イ・マ行も、リュでシャープをとめずに一筆で書くことができます。
→実例(22)を参照   ↑一覧へ

23.「…ピョウ」の書き方
 ピョウの基本文字はヒョウを倍にした形となりますが、特に、もともとの音がヒョウであって、その前の音によってピョウと読む場合は、ヒョウと書いても構いません。例えば「発表」、「カンピョウ」等です。
→実例(23)を参照   ↑一覧へ

24.「物価」の「カ」の長さ
 詰音が入ると、前の速記文字の中央を約1ミリ頭を出して切る形で後の速記文字を書きますが、「物価」といったときのカの線の長さは、その約1ミリ出た位置からの長さとなります。しかし実際には、カを少し長目に書きましょう。
→実例(24)を参照   ↑一覧へ

25.「罰金」の濁音符号の打ち方
 「罰金」という速記文字を書くとき、普通は濁音符号を打ちませんが、もし間違えないように打ちたい場合、ハッキンと書いた後、キンの書き始め位置の左側に濁音符号の点を打ちましょう。
→実例(25)を参照
26.「給与」と「共有」の書き方
 「給与」は、キュウの小円を立てぎみの楕円にすると、ヨを書くときキュウの円を回すことになりますが、こうなると小円がくずれやすくなりますので、キュウの小円をオの方向で締めて、円を回さずにヨを書くようにしましょう。
 「共有」は、キョウの楕円をきっちり締めるため、円を回して書きます。
 なお、こういうたぐいのものも余り神経質にならなくて結構です。
→実例(26)を参照   ↑一覧へ

27.「お客」と「会釈」の書き方
 「お客」のオキャは、ゆりつぎではなく、オにそらしを入れて書きますが、「会釈(エシャク)」のエシャは、ゆりつぎで書きましょう。
 この違いは、オにそらしを入れると片仮名のノのような形になりますが、この形は基本文字にないので別の速記文字と読み間違うおそれがありません。それに対してエにそらしを入れるとハイと読み間違うおそれがあるため、特にエ+サ行拗音(ショを除く)にはゆりつぎを使うのです。
→実例(27)を参照   ↑一覧へ

28.「ぼうっと」の長音符号の打ち方
 普通は長音符号を打ちませんが、「ほっと」と間違えそうなとき、ホとトの重なるところに長音符号を打ちましょう。また、書きにくい場合は少しずらし、ホとトが重なった少し上に書いても結構です。
 なお、長音符号は、ホットと書いた後に入れましょう。
→実例(28)を参照   ↑一覧へ

29.「精米」の書き方
 そのままセイ・マイと書きにくいので、セイもマイも少し立てぎみに書くとよいでしょう。
→実例(29)を参照   ↑一覧へ

30.「大体大」の書き方
 ダイタイはタイを2つ横に並べて書きますが、もう1つタイが入った場合もさらにタイを並べて書き、結果的にタイが横に3つ並んだ形となります。なお、「大体大」とは、「大阪体育大学」の略です。
→実例(30)を参照   ↑一覧へ

31.「しまいたい」「体内」の書き方
 マイに続くタイは、ゆりつぎを使っても結構ですが、マイで作角を使用しましょう。
 なお、マイタイの速記文字をひっくり返すとタイナイという形になりますが、「体内」はゆりつぎを使用します。
→実例(31)を参照   ↑一覧へ

32.「まいない」「ナイマイ」「和裁」の書き方
 「まいない」(賄賂の意)は、流しを使っても結構ですが、作角を使用する方がよいでしょう。ゆりつぎは速度的に損をしますので、余り使いません。
 なお、言葉としてはないと思いますが、ナイマイといった場合は、作角は書きにくいので流しを使用しましょう。
 「和裁」も流しです。
→実例(32)を参照   ↑一覧へ

33.「廃止」の書き方
 「廃止」のシは、変規文字を使用しましょう。ハイが短線なので、流しは使用しない方でよいでしょう。それでも正規文字で書きたいときは、作角を使用しましょう。
→実例(33)を参照   ↑一覧へ

34.「プアール茶」の書き方
 プアは、プに作角を使用する方が無難です。
 流しを使って一筆で書くときは、ぺと間違わないように注意しましょう。
→実例(34)を参照   ↑一覧へ

35.「キャスト」の書き方
 「キャスト」といった場合のキャスの書き方には、3種類あります。
 1つ目はキャに作角を使う書き方、2つ目はごく普通にキャでシャープを一たんとめてスを書く書き方、3つ目はキャスをシャープをとめずに一筆で書く書き方です。
 作角を使う書き方は安定性があり、基本文字段階の人にはお勧めしますが、なれれば一筆で書いても構いません。この方が速く書けますが、反面、乱れやすくなるので注意しましょう。
→実例(35)を参照   ↑一覧へ

36.「決心」の書き方
 詰音の後に正規文字・変規文字のある音が来た場合、正規文字で書くのが原則ですが、「決心」などケにシンを引っかけにくいときは変規文字を使いましょう。
→実例(36)を参照   ↑一覧へ

37.「塗って」の書き方
 「塗って」といった場合、「なって」などと同様に変規文字で書きますが、ヌは大円なので、シャープを離さずに正規文字で書いても結構です。
→実例(37)を参照   ↑一覧へ

38.「ポット」の書き方
 「ポット」は、トを基本文字で書く場合、正規文字でポの母線(プの線)の中央に引っかけますが、助詞のトを使った場合、ポ全体に並べて書きましょう。
→実例(38)を参照   ↑一覧へ

39.「ぱったり」「ぽったり」の書き方
 「ぱったり」も「ぽったり」は、母線の中央にタを引っかけにくいので、字末に引っかけて書きましょう。
→実例(39)を参照   ↑一覧へ

40.「…ことと」の書き方
 トが重なるので重音の加点を使えそうですが、助詞とくっついた場合、加点は使いません。最初のトは変規文字、後のトは正規文字を使って書きましょう。
→実例(40)を参照   ↑一覧へ

41.「ぴょんぴょん」「ぷんぷん」の書き方
 ンは半人前扱いして無視しますので、「ぴょんぴょん」といった場合の重音の加点位置は、ピョの左下になります。
 「ぷんぷん」も同様で、ンのはじいた先の左下ではなく、プの左下に重音の加点を打ちましょう。
→実例(41)を参照   ↑一覧へ

42.「カチンカチン」の書き方
 この場合、ンも1字扱いをしますのでカチンは3音となり、多重音の書き方で書きましょう。
 詰音・長音も同様に、1字扱いします。
→実例(42)を参照   ↑一覧へ

A.速記文字実例(1〜10)
A.速記文字実例(1〜10)
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B.速記文字実例(11〜20)
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C.速記文字実例(21〜30)
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D.速記文字実例(31〜40)
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E.速記文字実例(41〜42)
E.速記文字実例(41〜42)
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