ア |
暗書(アンショ) |
速記文字を見ないで書く書き方。練習では、朗読文のみ見て書く書き方、目をつぶって書く書き方がある。 |
依意省略法(イイショウリャクホウ) |
言葉の持つ意味を速記文字にあらわして省略する書き方。「上がる・上げ・のぼる」等で使用。 |
イ音省略法(イオンショウリャクホウ) |
2音目のイ音を省略する書き方。アイ・エイ・クイ等で使用。 |
易誤文字(イゴモンジ) |
速記文字が同じ形あるいは同じような形となり、その前後関係からも判別しにくい速記文字。 |
石村式(イシムラシキ) |
石村禧行氏が考案した、中根式を基本として改良した速記方式。 |
一級速記士(イッキュウソッキシ) |
速記技能検定試験の1級に合格し、その資格を申請して取得した人。 |
インツクキ法(インツクキホウ) |
中根式で、2音目以降に出てくる「イ・ン・ツ・ク・キ」を省略して書く書き方。 |
運筆(ウンピツ) |
速記文字をスムーズに、速く書くためのシャープの運び方。 |
鋭角選用の原則(エイカクセンヨウノゲンソク) |
2音目以降の単音に正規文字と変規文字がある場合、前字と後字の角度が鋭角になる方を選んで用いるという原則。 |
円(エン) |
複線の末尾部分にある円。実際は真ん丸い円ではなく、半円の楕円型。 |
円の並行法(エンノヘイコウホウ) |
複線文字の円を後に続く線の方向に並行に楕円形で書く書き方。 |
応能省略法(オウノウショウリャクホウ) |
その人の能力に応じて、速記文字を書かずに省略する書き方。「…するか…しないか」等で使用。 |
カ |
返し(カエシ) |
末尾部分で字頭に向かっている線の部分。複線の場合は円の後半部分。 |
書き出し符号(カキダシフゴウ) |
文章練習などをするとき、書き始めの位置がわかるように書く「//」の符号。 |
角度(カクド) |
斜線45度などの角度。 |
加点省略法(カテンショウリャクホウ) |
前の速記文字に「・」を打ってある音を省略する書き方。シ・ギョウ・チョウ等で使用。 |
加点文字(カテンモジ) |
中根式における基本文字ウ・ス・ヌ。 |
空読み(カラヨミ) |
速記技能検定試験などで、本番前に試しに読む朗読。 |
簡字(カンジ) |
省略法による最終形の速記文字、または簡字構成法によってつくられた速記文字。 |
漢字仮名交じり文(カンジカナマジリブン) |
要するに日本語で書いた文。反訳文。 |
聞きだめ(キキダメ) |
話される言葉を頭の中でためながら、おくれて速記文字を書いていく書き方。「ため書き」とも。 |
詰音(キツオン) |
「っ」の音。「促音(ソクオン)」とも言う。 |
基本文字(キホンモジ) |
清音・拗音など、基本となるべき速記文字。このHPでは、半濁音・半濁拗音・長母音も基本文字として扱っている。 |
逆記(ギャッキ) |
中根式のインツクキ法・早稲田式のクツ音省略法など、音の順番をひっくり返して書いていく書き方。例えば、「カク」を「クカ」の順で書く。 |
共練会(キョウレンカイ) |
学習者による共同練習会。 |
曲直(キョクチョク) |
曲線と直線(の区別)。 |
許容失点(キョヨウシッテン) |
速記技能検定試験などで、問題文の総字数に対する合格範囲のミスの文字数。例えば1級は64字以内。 |
切り線(キリセン) |
中根式において、単直線の後に同じ方向の直線が続いたとき、その境目を短い線で切る書き方。 |
ク音省略法(クオンショウリャクホウ) |
2音目以降のク音を省略する書き方。アク・イク・ウク等で使用。 |
熊崎式(クマザキシキ) |
熊崎健一郎が考案した、早稲田式に大きな影響を与えた速記方式。 |
下段文字(ゲダンモジ) |
普通、速記文字は右方向水平に書いていく(中段)が、それよりも下に書く文字。例えば「しかし」など。 |
原文帳(ゲンブンチョウ) |
速記文字を書く用紙のこと。 |
高速入力(コウソクニュウリョク) |
反訳する際、パソコンやワープロを使い、略語登録をするなどして速く入力すること。 |
国字(コクジ) |
我が国では、漢字・仮名の文字。 |
五大綱領(ゴダイコウリョウ) |
川口渉が早稲田式を創案したときの方針。 |
誤字(ゴジ) |
反訳の際、間違った文字。 |
誤訳(ゴヤク) |
速記符号の書き間違い、読み間違い等による訳し間違い。 |
誤訳率(ゴヤクリツ) |
間違えて訳した率。「ミス(失点)÷朗読総字数×100=誤訳率」。 |
サ |
佐竹式(サタケシキ) |
佐竹康平氏(ヤスヘイ)が考案した、早稲田式の高速用速記方式。 |
作角(サッカク) |
単曲線(ア・サなど)の末尾を少し深くしたり、少し膨らませたりする書き方。 |
参議院式(サンギインシキ) |
国会の参議院速記者が使う速記方式。 |
字上字下文字(ジジョウジカモジ) |
前の速記文字の上や下の位置を利用して省略する文字。「とき・ところ・上・下」等で使用。 |
失点(シッテン) |
反訳時のミス。速記技能検定試験では1字1失点で計算。 |
字頭(ジトウ) |
速記文字の頭の部分。 |
字尾(ジビ) |
速記文字のしっぽの方。「字末」。 |
始筆点(シヒツテン) |
速記文字の書き出し位置。 |
字末(ジマツ) |
速記文字のしっぽの方。「字尾」。 |
重音(ジュウオン) |
カカなど、同じ音が続いた音。 |
衆議院式(シュウギインシキ) |
国会の衆議院速記者が使う速記方式。 |
終止符(シュウシフ) |
文章練習などをするとき、書き終わりの位置がわかるように書く締めの符号。 |
終筆点(シュウヒツテン) |
速記文字の書き終わり位置。 |
順記(ジュンキ) |
「逆記」の対語。音どおり順番に書いていく書き方。 |
小円(ショウエン) |
円の中でも、キ・シ・チ・ニなどにつく小さい円。実際は、半円の楕円型。 |
照合者(ショウゴウシャ) |
検定試験などで、朗読者の読み間違いや速度をチェックする人。 |
冗字(ジョウジ) |
反訳の際、余分の書き過ぎた文字。 |
上段文字(ジョウダンモジ) |
普通、速記文字は右方向水平に書いていく(中段)が、それよりも上に書く文字。例えば「私」など。 |
常用簡字(ジョウヨウカンジ) |
よく用いられる言葉を最終の省略形として簡略化した速記文字。「新しい・いわゆる・教育」等で使用。 |
常用句(ジョウヨウク) |
速記技能検定試験問題などによく出てくる句。 |
常用語(ジョウヨウゴ) |
速記技能検定試験問題などによく出てくる言葉。 |
常用文(ジョウヨウブン) |
速記技能検定試験問題などによく出てくる文章。 |
省略文字(ショウリャクモジ) |
基本文字ばかりの速記文字を簡略化し、速く書けるようにした文字。 |
数位符号(スウイモジ) |
十・百・千・万・億・兆等の数字単位の速記文字。 |
ステノキャプショナー |
速記(ステノグラフィ)と字幕入力者(キャプショナー)の合成語。スピードワープロの専門家。 |
ステノグラフィー |
速記のこと。「ショートハンド」、「タキグラフィー」などとも。 |
ステノワード |
文字入力キーが10個しかない、超高速入力用キーボード。スピードワープロ。 |
ステンチュラ |
裁判所の速記官等が使用する、アメリカ・ステノグラフ社製造のコンピューターが内蔵された速記タイプ。 |
スピードワープロ |
特殊なキーボードによって、高速入力する器械。 |
正円(セイエン) |
真ん丸い円。 |
清音(セイオン) |
いわゆる50音と言われるもので、アからワまでの音。 |
正確度(セイカクド) |
速記技能検定試験などで、問題文の総字数に対する合格範囲の%。例えば1級は98%の正確度が必要。 |
正規先優の原則(セイキセンユウノゲンソク) |
1音目に正規文字と変規文字がある場合、正規文字を使うという大原則。 |
正規文字(セイキモジ) |
早稲田式における変規文字に対する言葉で、本来の書き方・文字。 |
静態文字(セイタイモジ) |
速度を考えず、ゆっくりと書いた速記文字。手本などの文字。 |
折衷派(セッチュウハ) |
単画派と複画派を取り入れた速記方式。 |
ソクタイプ |
裁判所の速記官が使用している、速記タイプライター。 |
速度(分速○○字)(ソクド(フンソク ジ) |
漢字仮名まじり文における1分間の字数計算による速度。句読点や改行による空白は計算に入れない。 |
速記官(ソッキカン) |
裁判所の速記者。 |
速記技能検定試験(ソッキギノウケイテイシケン) |
日本速記協会が主催する検定試験。初級6級から最高級1級まである。 |
速記士(ソッキシ) |
速記技能検定試験の1級・2級に合格し、その資格を申請して取得した者。 |
速記士会(ソッキシカイ) |
全国各地で結成されている速記者の職業団体。 |
そらし |
複直線(キ・クなど)で、母線を少し曲線ぎみに書くの書き方。 |
タ |
大円(ダイエン) |
円の中でも、ク・ス・ヌ・フ・ム・ルにつく大きな円。実際は、半円の楕円型。 |
代使(タイシ) |
一般的な書き方に代わって使われる補助・代理の速記文字。 |
楕円(ダエン) |
キョ・チョ・ニュ・ミュ・ミョ・リュ・リョ・ポ・パイで使う円。 |
濁音(ダクオン) |
ガ・ギ・グ・ゲ・ゴなどの音。 |
多重音(タジュウオン) |
3音以上の重音。原則として、長音・撥音・詰音も1字扱いする。 |
脱字(ダツジ) |
反訳の際、書き足りなかった文字。 |
脱訳(ダツヤク) |
速記文字の訳し落とし。 |
ため書き(タメガキ) |
文章練習などで、頭の中に言葉をため、朗読よりおくれて速記文字を書いていくこと。「聞きだめ」とも。 |
単音(タンオン) |
速記文字の1字または1音。単音の集まりが単語となる。 |
単画記音式早稲田速記法(タンカクキオンシキワセダソッキホウ) |
川口渉が初期に考案した速記方式。これに改良を加えたのが現在の早稲田式。 |
単画派(タンカクハ) |
速記文字の末尾に円(エン)や角(カド)がついていない線によって構成された速記方式。 |
単曲線(タンキョクセン) |
単線の中でも、ア・イ・サ・ナ・ハ・マ・ヤ・ラ・ワなどの曲線。 |
単群(タングン) |
速記文字のかたまり。 |
単線(タンセン) |
ア・カ・サ・タ・ナなど、字尾に円のついていない線。 |
短線(タンセン) |
カイなどの長さの線。早稲田式では、一般的に4ミリ線と言われている。 |
淡線(タンセン) |
中根式などの速記文字で、濃線に対しての通常の速記文字。 |
単直線(タンチョクセン) |
単線の中でも、ウ・エ・オ・カ・タなどの直線。 |
逐語記録(チクゴキロク) |
発言をありのまま全部書き取った記録。 |
長音(チョウオン) |
アー・カー・サー・ターなどの音。 |
長線(チョウセン) |
コなどの長さの線。早稲田式では、一般的に16ミリ線と言われている。 |
長濁音(チョウダクオン) |
ガー・ギー・グー・ゲー・ゴーなどの音。 |
長母音(チョウボイン) |
長音の中でも、アー(アア)・イー(イイ)・ウー(ウウ)・エー(エエ)・オー(オオ)の音。 |
ツ音省略法(ツオンショウリャクホウ) |
2音目以降のツ音を省略する書き方。アツ・イツ・ウツ等で使用。 |
テープ起こし(テープオコシ) |
録音テープを聞きながら原稿を起こすこと。 |
テープライター |
録音テープを聞きながら原稿起こしをする人。速記者ではない。 |
同音異字(ドウオンイジ) |
同じ音でありながら異なる文字。 |
同行省略法(ドウギョウショウリャクホウ) |
同じ行の2つの音が続くとき、2音目を省略する書き方。カカ・カキ・カク等で使用。 |
動態文字(ドウタイモジ) |
速度の要素を取り入れて書いた速記文字。 |
特殊下段文字(トクシュゲダンモジ) |
下段使用法の中でも、助動詞以外の頻度の高い言葉に対する下段文字。「しかし・我・いずれ」等で使用。 |
特殊上段文字(トクシュジョウダンモジ) |
上段使用法の中でも、音訓転換法以外の頻度の高い言葉を省略する上段文字。「私・考え・できる」等で使用。 |
ナ |
流し(ナガシ) |
単曲線(ナ・マなど)に曲線が続く場合(例外はワカ)、シャープをとめずに一筆で書く書き方。 |
中根式(ナカネシキ) |
中根正親氏(マサチカ)が考案した、濃線も用いた速記方式。 |
二音字(ニオンジ) |
2つの音に対して特別に速記文字を定めているものの総称、または二音文字。 |
二音文字(ニオンモジ) |
2つの音に対して特別な速記文字で定めているもの。キン・コク・エキ等で使用。 |
二級速記士(ニキュウソッキシ) |
速記技能検定試験の2級に合格し、その資格を申請して取得した人。 |
二重音(ニジュウオン) |
2つの音が重なった音。例えば「なかなか」等。 |
日速研式(ニッソクケンシキ) |
吉崎謙太郎が考案した、早稲田式を改良した速記方式。 |
日本速記協会(ニホンソッキキョウカイ) |
日本の速記界の総元締め的存在。全国各地に支部あり。社団法人。文化団体。略して「日速協(ニッソッキョウ)」とも。 |
濃線(ノウセン) |
中根式などの速記文字で、特に濃く書く線。 |
ハ |
はじく |
速記文字の終筆点できちっととめず、スッと力を抜いて書く書き方。 |
はやとくん |
裁判所の速記官等が使用している、ソクタイプで速記したデータをコンピューターにつないで反訳するシステム。 |
撥音(ハツオン) |
「ン」の音。 |
半濁音(ハンダクオン) |
パ・ピ・プ・ペ・ポの音。 |
半濁拗音(ハンダクヨウオン) |
ピャ・ピュ・ピョの音。 |
反読(ハンドク) |
速記文字を読み返すこと。 |
反読不明瞭字(ハンドクフメイリョウジ) |
判読の際、何という文字かわからないような文字。 |
半流し(ハンナガシ) |
1音目と2音目の境で軽くとめて書く書き方。 |
反訳(ハンヤク) |
速記文字を国字(普通文字)に直すこと。 |
筆圧(ヒツアツ) |
速記文字を書くときのシャープの圧力。 |
標準線(ヒョウジュンセン) |
カなどの長さの線。早稲田式では、一般的に8ミリ線と言われている。 |
標準用字用例辞典(ヒョウジュンヨウジヨウレイジテン) |
社団法人日本速記協会が発行している、話し言葉を表記した辞典。 |
表象法(ヒョウショウホウ) |
中根式の省略法の1つ、または現代国語表象方式を指す。 |
V式(ブイシキ) |
小谷征勝氏が考案した、同じ母音を含む音は同じ方向の線であらわした速記方式。SVSD方式とも。 |
複画派(フクカクハ) |
速記文字の末尾に円(エン)や角(カド)をつけた線によって構成された速記方式。 |
複曲線(フクキョクセン) |
複線の中でも、シ・ニ・ヒ・ミ・リなどの曲線。 |
複線(フクセン) |
キ・シ・チ・ニなど、単線に円がついている線。 |
複直線(フクチョクセン) |
複線の中でも、キ・チなどの直線。 |
普通文字(フツウモジ) |
漢字・仮名の文字。 |
分試験(ブンシケン) |
速記技能検定試験で、特に初級6級から中級4級までの受験級で、受験者5人以上ある場合等の要件を備えていれば、例えば速記学校、速記クラブ、速記共同練習会等で実施できる試験。 |
変音(ヘンオン) |
濁音・長音・長濁音の音。 |
変規文字(ヘンキモジ) |
早稲田式において、本来の形(正規文字)を逆方向に書く文字。 |
方向(ホウコウ) |
並行・垂直・右上・右下・左下などの方向。 |
母線(ボセン) |
複線から円を取り除いた部分。例えば、キの母線はカの部分。 |
マ |
末尾(マツビ) |
速記文字のしっぽのあたり。 |
未訳(ミヤク) |
検定試験などで、反訳時間が足りなかったりして訳せなかった部分。 |
モリタ式(モリタシキ) |
森田章三氏が考案した、田鎖式を基本として改良した衆議院式。 |
ヤ |
ゆりつぎ |
単直線(ウ・カなど)の後に続く速記文字が前の速記文字と同じ方向、または同じような方向の場合、単直線の字尾を1ミリ程度戻して書く書き方。 |
拗音(ヨウオン) |
キャ・キュ・キョなどの音。 |
要約記録(ヨウヤクキロク) |
発言の要点のみを書き取った記録。「要点記録」とも。 |
4大速記方式(ヨンダイソッキホウシキ) |
早稲田式・中根式・衆議院式・参議院式の4方式。 |
ラ |
ラ行省略法(ラギョウショウリャクホウ) |
2音目以降に出てくるラ行の音を省略する書き方。アラ・カリ・サル等で使用。 |
リアルタイム入力(リアルタイムニュウリョク) |
人の話などをコンピューターを使って即文字化していく入力法。 |
略語登録(リャクゴトウロク) |
反訳などで高速入力するため、ある言葉を略語で登録すること。例えば「あります」は「あ」で登録。 |
略字(リャクジ) |
省略法によって簡単な形となった速記文字、または省略法によらず特定の書き方によって簡単な形となった速記文字。 |
臨時文字(リンジモジ) |
臨時的に多重音符号を応用して以下省略という意味で省略する書き方。 |
連錣(レンテツ) |
速記文字と速記文字のつなぐこと、またそのつなぎ方。 |
朗読者(ロウドクシャ) |
検定試験などで、問題文を読み上げる人。 |
ワ |
早稲田式(ワセダシキ) |
川口渉(ワタル)氏が考案した、熊崎式を基本として改良した速記方式。 |
早稲田系無名式(ワセダケイムメイシキ) |
佐竹康平が早稲田式を改良した速記方式。後に佐竹式と名のり、さらに早稲田式と合同する。 |
割出図(ワリダシズ) |
速記文字の線を構成する中でつくられた図。 |