【練習法】
1−1.単語ノートづくり/テープ練習/暗書/気合入れ?
1−2.テキストの速記文字を丸暗記/日常生活で使用/本読み等

【アガリ解消法】
2−1.受験級より速い速度での練習を/場数を踏む
2−2.焦りは禁物/40字以上アップの速度練習を/瞬間的に抜かす/場数を踏む

区切り線


1−1.単語ノートづくり/テープ練習/暗書/気合入れ?…ユー
(1)学生時代から単語ノートをつくり、それを徹底的に練習しました。未消化の単語にはチェックを入れ、そればかり集めてまたノートをつくり消化していくという方法を繰り返し、覚え込んでいったのです。
 また、単語がたくさん集まれば、50音順にした速記文字辞典も何度か作成しました。最終の辞典は平成4年に作成したもので、500ページにもなっています。その後の追加分については、再び50音に並びかえるのは大変な作業になるので、ページ数を書き込んだ50音順の索引を別につくりました。
 検定試験では用字も採点基準になるので、これも、よく間違える言葉等をピックアップし、単語ノートと同じような方法で50音順に並べたものを作成しました。
(2)速度練習では、まず何といっても速記文字を書けないと反訳できないので、録音テープによる書き込み中心に練習をしました。気合いを入れて10分間のみの練習をしたり、抜けてもお構いなしにテープをとめず休憩なしに1〜2時間書きっぱなしの練習をしたり、などです。
 反訳は、時間がかかるので、だんだん検定前しかしないようになってしまいました。また、反訳にワープロを使ったこともありますが、余りお勧めできません。以前、漢検初段に合格したことがある私ですが、何でもワープロ・パソコンを使うようになって以来、簡単な漢字も出てこなくなってしまったのです。やはり、原稿用紙を使ってときどき反訳する方が賢明です。反訳する時間がないときは、せめて読み返しぐらいはしたいものです。
(3)1級を何度も合格し、検定試験を受けなくなってからは、テープ練習から暗書に変えました。私の暗書法は、朝日新聞の「社説」欄を切り抜き、それを見ながら原文帳は見ないで速記文字を書いていくというものです。これは私は、練習というより、いつでもスムーズに手が動くようにと、いわゆるウオーミングアップ的な気持ちでやり始めたのですが、このHPを開設してからずっとサボっていることに気がつきました。私は練習をしないとすぐに腕が落ちてしまうタチなので、再びやらねばと思うきょうこのごろです。
(4)目標を文部大臣賞に置いていたころ、日本速記協会発行の機関紙「日本の速記」に掲載された受賞写真を拡大コピーして原文帳の横に置き、「今度は自分がそこに!」との意気込みで練習を始めたことがあります。
 また、気をつけようと思っていても朗読が始まるとつい忘れてしまうことを個条書きにし、これも原文帳の横に置きました。久しぶりにそれを引っ張り出してみると、「背筋を伸ばす 1字1字よく聞く ゆっくり聞く 頭に叩き込むように復唱する ゆっくりと書く ペンを握り締めない 大き目に書く」「賞や合否を考えない 他人のことも考えない ただ一生懸命頑張るだけ」と書いていました。これ以外にもう1枚あったので、何度かつくり直したようです。
↑一覧へ

1−2.テキストの速記文字を丸暗記/日常生活で使用/本読み等…道楽おやじ
 早稲田式を学習中には、テキストの説明を読んだことがありません。ひたすらテキストに書いてある速記文字をノートに写して暗記をしました。
 テキストの中で真剣?に読んでいたのは、第1巻の下段に掲載をされていた「速記の歴史」でした。特に「日本の速記」については丸暗記をするぐらい何回も読みました。
 それと、第6巻は速記文例集でしたが、速記界の現状(1)〜(3)川口渉講演"速記界の現状と速記者の将来"は、速記文字よりも反訳文の方を読んでおりました。
 速度練習をしたのは、速記を始めてから2年後にテレコを購入してからです。
 速度練習をしなかったのは、速記講座に掲載をされている速記文字を全部覚えれば早く書けるようになるだろう?という、非常に甘い考え方もありましたし、遊び半分、興味半分という気持ちで学習をしていたからです。
 それと高校入学以来、授業では、数学と英語以外の科目は先生が板書されたものを、全て速記文字で書いておりました。
 中根式の通信教育では、受講期間が6ヶ月のところを4ヶ月で修了しております。学習をしたのは添削問題6回分、修了試験1回分で、正味7日間だけです。
 早稲田式の学習が一段落したので、片手間に中根式の通信教育も受講しただけのことです。
 どちらも通信教育の受講期間中は余りまじめに学習をしていなかったと思います。
 共通をしていたことは「速記文字を丸暗記する」という、無謀な学習方法です。
 高校2年生の6月に、「速記同好会」を結成してから、会員に早稲田式を指導するときに、テキストの説明を読んだ程度です。
 こういう学習方法は、他人には勧められませんが、「とにかく通信教育を修了する」という目的意識だけはありました。
 まずこういう学習者は途中で落伍者になる運命にあるのですが、なぜか私の場合は速記界に残ってしまいました。
 早稲田式では「運筆」を学習し、中根式では通信教育修了後に本格的な「速度練習」をしました。
 速度に関係なく、日記、メモなどに速記を日常生活で使っていて、気がついたときには速記にハマってしまった、ということになりそうです。
 速度練習にはテレコを使っておりましたし、先生や先輩に朗読をしていただいたものを使ったり、自分で朗読をして練習をしておりました。
 他式のテキストを購入して掲載されている文例を練習問題も使いましたし、古い検定試験の問題等も使いました。
 高校時代の練習は1分間練習で、速度を上げていきました。平日は「速記同好会」で指導をしていたので、私が速度練習をするのは週に2日程度でした。
 高校3年生のときには速度練習よりも、社団法人日本速記協会発行の「日本速記80年史」や「速記年表」を何度も読み返しておりましたし、いろいろな文献などで各速記方式を調べていた方が多かったようです。
 速記学校の夜間部に入学をしてからも速度練習は学校の授業中だけでしたし、休日はいろいろな文献等を収集しておりました。
 それでも時間をかければ、ある程度の速度は書けるようになりました。
↑一覧へ


2−1.受験級より速い速度での練習を/場数を踏む…ユー
 私は極度のアガリ症で、前日自宅で練習していても手が震えることもあったほどです。検定試験当日になると、会場へ向かう道中から既にドッキンドッキン。ですから、本番では心臓が爆発するのではないかと思うほどの状態に陥ります。手が踊り、あらぬ方へ線が走って書き直すこと、しきり。保存している原文帳を開いてみると、書き直しがないページは数ページ程度で、ひどいものになると1ページに4〜5箇所も書き直していました。それで、いろいろアガリの対処策を考えたりもしたのですが……
 結局のところ、
1.ふだん、受験級よりも少し速い速度で練習をする
2.場数を踏む
ということぐらいでしょうか。あと、「読者の練習法」にも述べたように
3.ゆっくり聞く
4.シャープを握りしめない
5.ふだんの練習でも緊張して書く練習するため、だれかに見てもらいながら速記する
ということしか思い浮かばないですね。なお、5の方法は恐ろしいので実践したことがありません。
 それから、失敗談を1つ。
 学生時代、精神安定剤を服用して挑戦したことがあります。そのころは気軽に薬局で購入できたのですが、でも指示された以上に飲んでも効果はなく、それどころか、かえって薬を飲んだという意識からか、さらに緊張してしまいました。そして結果は、当然、不合格。
↑一覧へ

2−2.焦りは禁物/40字以上アップの速度練習を/瞬間的に抜かす/場数を踏む…道楽おやじ
 中根式速記協会の検定試験は高校時代から受験をしておりますが、緊張をして落ちたことはありませんね。中根式の検定試験で落ちたのは練習不足で、「分速320字×5分」と「分速360字×5分」の2回だけです。
 社団法人日本速記協会の検定試験でも、3級以下は練習不足で落ちたことはありますが、緊張をして落ちたのは2級以上です。
 私が東京に住んでいたときですから、年に4回は受験のチャンスがありました。私の場合は「早く合格をしなければならない」「絶対に合格をしなければならない」という、気持ちが強かったので緊張をしていたので、検定試験では普段の実力を十分に発揮ができませんでしたね。
 速記学校の先生に「普段の練習では、君より実力がない者が試験に合格をしているのに、なぜだろうか」と言われたことがあります。
 私は、冗談半分に「日速の陰謀でしょう」と言っておりましたけど。
 ユーも書かれておりましたが、私も薬局で「精神安定剤」を買って飲んで受験をしましたが、全く効果がありませんでしたね。頭がボーッとしていました。
 私は速記学校の夜間部に通っておりましたので、速度練習のリズムは夜型になっていたようです。
 休日は昼間に速度練習をするよりも夕方に練習をした方がミスが少なかったようです。
 実力があっても、試験運がなかっただけかもしれません。
 私の場合は「検定試験に落ちてもよい」という気持ちで受験をしたら合格をしました。
 検定試験では、焦りは禁物です。
 普段から受験をする級よりも40字以上早い速度で練習をしていれば、余裕がありますし、速記文字が引っかかり、多少速記文字が乱れても抜けることはないと思います。
 検定試験では、速記文字が引っかかり無理をして書くと乱れるので、瞬間的に抜かして、次の体勢を整えることも必要です。余り深追いをするとミスを多く出すだけです。
 「文部科学大臣賞」や「協会優秀賞」をねらって、検定試験を受験する場合は別として、ただ「検定試験に合格をする」だけなら、余り勧められない方法ですが、検定試験で100%速記文字が書けて完全に速記文字が読めれば、漢字のミスは2%以内で反訳ができるはずです。
 検定受検の場数を踏むことも大切ですね。大都市に住んでいる方は、年に4回受験をする機会があるので、「落ちてもともと」という気持ちで場なれをするも必要だと思います。余り「試験に落ちることになれすぎる」ことには感心できませんけど。
 私が今まで一番緊張をしたのは「某市議会」に速記者として勤務をしていて、初めて本会議場の速記者席で速記をしたときです。若干19歳の青年時代です。市会議員の視線を感じましたね。
 おかげでストレスがたまり体調を崩して某市議会を退職しましたけど……。
 某市議会の先輩速記者いわく「検定試験の合格よりも、速記者は実力だ」「テープに頼るのは速記者の恥じだ」
 その先輩速記者は、速記の実力は優秀な人でしたけど、検定試験の合格は、実力の証明書だと思いますが……。
 今から30年以上も前の話ですが、プロ速記者の皆さんどうでしょうか。
↑一覧へ

もとへ ホームヘ